はじめに
NPO法人Compassionの伴です。新型コロナウィルスの影響下、親御さんたちからこどものストレスを懸念されている声を多く聞きます。こどもはストレスに弱い存在で、大人にとっては些細な出来事でも、こどもにとっては大きなストレス要因となり得ます。ストレスが長期化しないようにこどものストレスを和らげる家族の関わり方が必要になってきます。
とはいえ、目に見えないこどものストレスに気づくのは難しいもの。そのヒントになるような根拠に基づく情報を探していたところ、アメリカの国立衛生研究所(NIH: National Institutes of Health)が、①こどものストレスを見分けるサイン、②対処するための親の関わり方、についてまとめた記事を紹介してくれていました。翻訳したものを下記します。把握しにくいこどものストレス状態をケアするきっかけになればと思います。
(※米国法に基づき、本情報は翻訳可能なコンテンツであることを確認しております。)
こどものストレスのサイン
身体的なサインには次のようなものがあります。
- 食欲の低下、その他の食生活の変化
- 頭痛
- おねしょ
- 悪夢
- 睡眠障害
- 胃のむかつきまたは漠然とした胃の痛み
- 身体的疾患のない他の身体的症状
感情または行動に出るサインには次のようなものがあります。
- 不安、心配
- リラックスできない
- 繰り返し出る恐怖(暗闇への恐怖、一人でいることへの恐怖、見知らぬ人への恐怖)
- しがみつく、あなたを視界から外したくない
- 怒り、泣く、泣き言を言う
- 感情を制御できない
- 攻撃的または頑固な行動
- より幼かったときに行っていた行動を繰り返す
- 家族や学校の活動に参加したがらない
ストレスを対処する親の関り方
こどもたちのストレスを和らげる関わり方は下記が挙げられます。
- こどもにとっての拠り所になるような安全で安心な家庭環境をつくってあげてください。
- 家族で行うルーティンを作ってください。家族での夕食やみんなで映画を観ることは、ストレスを和らげたり、安らぎをもたらします。
- こどもの模範となってください。こどもはロールモデルとしてあなたを見ています。自分のストレスを抑え、健康的に過ごすために最善を尽くして、行動で示してあげてください。
- こどもが見たり、読んだり、遊んだりするテレビ番組、本、ゲームには注意を払ってください。ニュース放送や暴力的な番組、ゲームは、恐怖や不安を引き起こす可能性があります。
- 今後予想される変化については、必要以上に心配を煽らない形で、出来る限りこどもに知らせておきましょう。
- こどもたちと静かでリラックスした時間を過ごしてください。
- よく話を聞いてあげましょう。批判的でもなく、問題をすぐに解決しようともせずに、こどもに耳を傾けましょう。代わりに、こどもと協力して、こどもたちが動揺していることを明確にし、一緒に解決する方法を考えましょう。
- こどもの自己肯定感を構築しましょう。励ましと愛情を伝え、罰ではなく、喜びを与えてあげてください。また、こどもがうまくできる活動を積極的に行わせてあげてください。
- こどもたちに選択をしてもらい、自分たちの生活をある程度コントロールできるようにさせてあげてください。こどもが状況をコントロールしていると感じるほど、ストレスにより良く対処ができるようになります。
- できるだけ運動をさせてください。
- こどものストレスのサインに注視してください。
- ストレスのサインが減少または消えない場合は、精神科医、カウンセラー、またはセラピストなどの専門家に助けやアドバイスを求めてください。
こどもが次の状況にあるとき、医者や専門家にご相談ください。
- 引きこもりや落ち込みが長期化している
- 友人や家族とのやり取りに問題が生じている
- 行動や怒りをコントロールすることができない
原文はこちらから↓↓
https://medlineplus.gov/ency/article/002059.htm
【出典元】
アメリカ国立衛生研究所(NIH)
NIHとは、アメリカ合衆国の保健福祉省公衆衛生局の下にあり、1887年に設立された合衆国で最も古い医学研究の拠点機関。原文は、NIHが管理するMedlinePlusにて紹介(2020年3月23日更新)。
【NPO法人Compassionについて】
スポーツ心理学研究者・実践家によって立ち上げられた非営利活動法人。“こどもが、社会を、持ち上げる”を合言葉に、小中高校生を対象に、スポーツを通して社会で活躍するための人間力を育む活動を行っている。
https://compassion.or.jp/